暗号資産リサーチ・アナリティクス

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Created: 2026-06-07 Updated:

Messari・Glassnode・The Block・Kaiko など暗号資産リサーチ・データプラットフォームの役割と代表的オンチェーン/市場指標を解説する。

暗号資産リサーチ・アナリティクス

暗号資産市場は伝統金融と異なり、ブロックチェーンのパブリックデータからオンチェーン指標を直接取得できる点が特徴だ。この透明性を活かしたリサーチ・データプラットフォームが 2017 年以降に台頭し、機関投資家・トレーダー・プロジェクト開発者が意思決定に活用している。情報カットオフ ~2025-08、confidence: medium 固定(2026-06 時点での外部再検証は未実施)。

主要リサーチ・データプラットフォーム

Messari は 2018 年設立の暗号資産リサーチ企業。プロジェクトの開示情報を標準化した「Messari Registry」の構築で知られ、ファンダメンタル分析(財務指標・チームリスク・トークノミクス)を中心にリポートを提供する。機関向けには API・スクリーナー・ガバナンスデータも提供する。業界の「Bloomberg」を目指す位置付けで、IPO・M&A・プロトコルアップグレードなどのニュースを速報する。

Glassnode は 2018 年設立のスイス発オンチェーンアナリティクス企業。BTC・ETH などのブロックチェーンデータを解析し、独自のオンチェーン指標を開発・公開している。機関向けサブスクリプション(週次レポート「Week On-Chain」)が業界標準に近い地位を確立している。

The Block は 2018 年創設の暗号資産メディア兼リサーチ企業。DeFi・機関投資家・規制・VC 投資に関する調査レポートを提供。取引量・TVL・VC ラウンドなどの市場統計ダッシュボードを無料で公開し、業界の参照データとして広く利用される。

Kaiko は 2014 年設立のフランス発市場データ企業。CEX・DEX の板データ・約定履歴・オーダーブック・流動性指標を機関向けに提供する。伝統金融向け標準インターフェースで暗号資産データを提供する点で差別化。

その他:CryptoQuant(オンチェーン取引所フロー分析)、Nansen(ウォレットラベリング・スマートマネー追跡)、Dune Analytics(SQL ベースのコミュニティ分析プラットフォーム)、Token Terminal(プロトコル財務指標の標準化)。

代表的オンチェーン指標

NVT Ratio(Network Value to Transactions): ネットワーク時価総額をオンチェーン取引量で割った指標。株式の P/E レシオに類似する「バリュエーション指標」として使われる。NVT が高すぎる場合は過大評価、低い場合は過小評価のシグナルとされる。ただし取引所間の資産移動もカウントされるため、ノイズが大きい。

SOPR(Spent Output Profit Ratio): 消費されたアウトプット(UTXO)が作成時より高い価格で送付されたかを示す指標。SOPR > 1 はネットワーク全体で平均的に利益確定が起きていることを示し、< 1 は損失実現が多いことを示す。強気相場では SOPR が 1 前後でサポートされ、弱気相場では 1 近辺がレジスタンスになるパターンが観察されてきた。

取引所ネットフロー(Exchange Net Flow): 取引所ウォレットへの BTC 流入量から流出量を引いた値。大量の流入(ポジティブなネットフロー)は売り圧力の増加を示唆し、大量の流出(ネガティブなネットフロー)はホドルや長期保有へのシフトを示唆する。Glassnode・CryptoQuant が詳細データを提供する。

アクティブアドレス数(Active Addresses): 1 日にオンチェーン取引に参加したユニークアドレス数。ネットワーク利用率の基本指標。DeFi プロトコルの場合はコントラクトインタラクション数が代替指標となる。

マイナーの収支と降伏(Miner Capitulation): BTC マイナーが保有 BTC を売却する「降伏」サイン(Hash Ribbon や Puell Multiple などの派生指標)はサイクルボトムに近い水準を示す可能性があるとされる。

市場データ指標

ファンディングレートデータ: 無期限先物のファンディングレートは市場のセンチメント(強気・弱気)を示す先行指標として使われる。複数取引所の加重平均ファンディングレートを集計するサービス(Coinglass 等)がある。

オプションのインプライドボラティリティ(IV): Deribit のオプション価格から算出される DVOL(Deribit Volatility Index)は市場の不確実性の度合いを示す。金融市場の VIX に相当する指標として参照される。

流動性指標(Bid-Ask Spread・Market Depth): Kaiko などが提供する CEX の板深度データは、大口取引のマーケットインパクトコスト推計や取引所の健全性評価に使われる。機関投資家が OTC 取引の価格交渉の参考にするケースもある。

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