共振回路
RLC 共振回路を解説。インダクタとキャパシタの反応が打ち消し合う共振現象、直列共振(電流最大)と並列共振(電流最小)の条件 f₀ = 1/(2π√LC)、Q 値、フィルタ・無線通信・発振回路への応用を体系化する。
article technology ja RLC 共振回路を解説。インダクタとキャパシタの反応が打ち消し合う共振現象、直列共振(電流最大)と並列共振(電流最小)の条件 f₀ = 1/(2π√LC)、Q 値、フィルタ・無線通信・発振回路への応用を体系化する。共振回路 — RLC 直列・並列共振の条件、Q 値、フィルタへの応用
共振回路(Resonant Circuit)はインダクタ L とキャパシタ C を組み合わせた回路で、特定の周波数(共振周波数)において両素子のインピーダンスが打ち消し合う特殊な状態が生まれる。この状態では電流や電圧が特異的な挙動を示し、無線通信のチューニング・フィルタ・発振回路など幅広い応用に利用される。情報カットオフ 〜2025-08、confidence: medium 固定。
共振の基本概念
コイル L のインピーダンスは Z_L = jωL(高周波ほど大きい)、コンデンサ C のインピーダンスは Z_C = 1/(jωC)(高周波ほど小さい)だ(tech-336)。
ある周波数 ω₀(共振角周波数)でこの 2 つが打ち消し合う:
Z_L = -Z_C
jω₀L = 1/(jω₀C)
ω₀² = 1/(LC)
ω₀ = 1/√(LC)
共振周波数:f₀ = ω₀/(2π) = 1/(2π√(LC))
共振周波数 f₀ は L と C の値だけで決まり、R の値には依存しない。
直感的イメージ:ブランコを共振周波数でこぐと少ない力で大きく振れるのと同じように、RLC 回路でも共振周波数の信号を小さな入力で大きな応答に増幅させることができる。
RLC 直列共振
RLC 直列共振回路では R・L・C が直列に接続されている。
合成インピーダンス:Z = R + j(ωL - 1/(ωC))
共振時(ω = ω₀):Z = R(純抵抗のみ)
共振時の特徴:
- インピーダンス Z が最小(= R のみ)になる
- 回路に流れる電流 I = V/R が最大になる
- L と C にかかる電圧は互いに打ち消し合ってゼロになるが、各素子の電圧は電源電圧の Q 倍(Q > 1 の場合)に達することがある(電圧共振)
Q 値(Quality Factor):
Q = ω₀L/R = 1/(ω₀CR) = (1/R)√(L/C)
Q 値は「共振の鋭さ」を表す。Q が大きいほど共振周波数付近で急峻な応答を示し、特定の周波数を選択的に通過させるフィルタとして優れた性能を持つ。
RLC 並列共振
RLC 並列共振回路では R・L・C が並列に接続されている。
合成アドミタンス:Y = 1/R + j(ωC - 1/(ωL))
共振時(ω = ω₀):Y = 1/R(純コンダクタンスのみ)
共振時の特徴:
- インピーダンスが最大(= R のみ)になる
- 電源から流れる電流が最小になる
- L と C の間で電流が循環(タンク電流)するが、外部への電流流出は最小
- 並列共振はバンドパスフィルタの「高インピーダンス応答」に利用される
直列共振と並列共振はアドミタンス(インピーダンスの逆数)の視点で双対的な関係にある。
共振回路の応用
フィルタ回路:共振周波数の前後で異なる応答を示す性質を利用する。
- バンドパスフィルタ(BPF):f₀ 近傍の周波数のみを通過させる(ラジオの選局など)
- バンドストップフィルタ(BSF):特定の周波数を遮断する(ノイズ除去など)
- ローパス/ハイパスフィルタ:L・C の周波数依存性を利用して特定帯域を選択
無線通信:アンテナ回路に共振回路を使い、受信したい放送局の周波数に合わせることで選局する(同調回路)。可変コンデンサ(バリコン)で L や C の値を変えると f₀ が変化し、異なる周波数を選択できる。
発振回路:共振回路にアンプ(増幅器)を組み合わせてフィードバックをかけると、f₀ の持続的な正弦波信号を発生させる発振回路になる。クリスタル発振器は水晶の機械的共振を利用して非常に安定した高精度の周波数を発生させる。
情報カットオフ 〜2025-08、confidence: medium 固定。
Backlinks
- has_parts 回路理論 総覧