配線技術
電力を安全・効率的に供給する配管方式(金属管・PF 管・VE 管・ケーブルラック)、ケーブル種別(VVF・IV・CV・CVT・EM-EEF)、接続技術(圧着・圧縮・絶縁処理)を解説する。
article technology ja 電力を安全・効率的に供給する配管方式(金属管・PF 管・VE 管・ケーブルラック)、ケーブル種別(VVF・IV・CV・CVT・EM-EEF)、接続技術(圧着・圧縮・絶縁処理)を解説する。配線技術 — 配管方式・ケーブル種別・接続技術の体系
配線技術(Wiring Technology)とは、分電盤・配電盤から各電気機器・コンセント・照明器具まで電力を安全かつ効率的に供給するための、配管・ケーブル・接続工法の総体である。配線技術の品質は設備の安全性・耐久性・保守性を直接左右するため、電気工事の根幹をなす技術領域である。情報カットオフ 〜2025-08、confidence: medium 固定。
配管方式
電線・ケーブルを建物内に敷設する際、機械的保護・電磁シールド・将来の引き替え容易性を確保するために配管・配線ダクト類が使用される。
金属管(鋼製電線管)
薄鋼電線管(E 管)と厚鋼電線管(G 管) が主流であり、機械的強度が高く、露出配管・コンクリート埋め込み・防爆区域などに用いられる。接地連続性が確保できるため電磁シールド効果もある。接続には専用のカップリング・ロックナット・ブッシングを使用し、端末処理が重要となる。
合成樹脂管
PF 管(プラスチック可とう管・波付き) は曲げ自在な難燃性樹脂管であり、隠ぺい配管(壁内・天井内)に多用される。軽量で施工性が高く、住宅・オフィスの壁内配管の標準となっている。
VE 管(硬質ビニル電線管) は直管型の硬質 PVC 管であり、コンクリート埋め込み・地中埋設に使用される。機械的強度は金属管より劣るが腐食に強い。
ケーブルラック・ケーブルトレイ
ケーブルラックは梯子状の鋼製支持材に多数のケーブルを束ねて敷設する方式であり、工場・データセンター・大型ビルの電気シャフト・天井裏に広く使われる。放熱性が高く、ケーブルの追加・変更が容易な点が利点である。許容電流は空中布設の値が適用され、束ねによる電流低減係数を考慮する必要がある。
ケーブルトレイは底板付きのトレイ状支持材であり、ケーブルラックより防塵性が高い。
モール配線
モール(ケーブルモール) は床面・壁面に貼り付ける樹脂製の溝付き保護カバーであり、既設建物への追加配線に用いられる。美観と安全を両立するが、大電流回路には不向きである。
可とう管(フレキシブルコンジット)
機械・電動機などの振動部への最終接続には可とう金属電線管(フレキシブルコンジット) が使用される。振動・衝撃を吸収し、固定配管との接続部の破損を防ぐ。防爆仕様(Ex-d 構造)の製品も存在する。
ケーブル種別
VVF ケーブル(ビニル絶縁ビニルシースフラット形ケーブル)
住宅・小規模施設の低圧配線で最も使用頻度が高い定番ケーブルである。導体(銅)をビニル絶縁体で被覆し、複数心をフラット形のビニルシースで一括した構造。軽量・施工容易・安価であり、屋内隠ぺい配線の標準となっている。1.6 mm・2.0 mm・2.6 mm 径の 2 心・3 心が一般的。
IV 電線(ビニル絶縁電線)
配電盤・制御盤内部の配線や分岐回路に使用される単心電線。シースがないため配管・ダクト内への収納が前提。許容電流は太さ(断面積)と布設方法で決定される。
CV ケーブル(架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル)
架橋ポリエチレン(XLPE)絶縁の高性能ケーブルであり、VVF に比べ許容電流が大きく耐熱性に優れる(最高許容温度 90 °C)。大容量幹線・高圧幹線に使用される。単心・3 心・4 心などの構成がある。
CVT ケーブル(架橋ポリエチレン絶縁ビニルシース トリプレックス形)
CV 単心ケーブル 3 本を撚り合わせた形状であり、可とう性が高くケーブルラック敷設・管路引き入れに適する。許容電流は 3 心 CV に比べて放熱性が良く若干大きい。
EM-EEF ケーブル(エコケーブル)
難燃性・低毒性のポリエチレン系化合物を絶縁・シースに使用した環境対応ケーブル。火災時の有害ガス発生を抑制する。公共建築工事等では EM-EEF ケーブルの使用が推奨または義務化されつつある。
接続技術
配線の品質と安全性は、最終的にケーブル同士・ケーブルと機器の接続部の施工精度に依存する。
圧着端子
圧着端子(Ring Tongue Terminal)はケーブル端末の裸線部分をダイスで圧着して端末処理する最も一般的な接続方法である。適切なダイスサイズ・圧着工具の選択が電気的接触抵抗と機械的強度を決定する。JIS C 2805(銅線用圧着端子)が品質基準を定めている。
圧縮スリーブ(ジョイント)
電線・ケーブル同士を直接接続する場合に使用するスリーブであり、油圧圧縮工具で圧縮接続する。分電盤引き込み幹線のジョイントや、地中ケーブルの中間接続に用いられる。
ラグ端子
ラグ端子(Lug Terminal)は大断面積ケーブルの端末処理に使用するリング状または Y 字型の端子であり、圧縮工具で取り付けた後ボルト締めにより機器端子台に接続する。
絶縁スリーブ・絶縁テープ・収縮チューブ
接続部の絶縁処理には以下の材料が使用される。
| 材料 | 用途 | 特徴 |
|---|---|---|
| 絶縁スリーブ(ビニルキャップ) | 端末の絶縁保護 | 差し込み型、施工容易 |
| ビニルテープ(絶縁テープ) | 接続部の絶縁巻き | 汎用、耐久性は施工精度に依存 |
| 熱収縮チューブ | 端末・接続部の密封絶縁 | ヒートガン加熱で収縮、密着性高い |
| 自己融着テープ | 屋外・水中接続部の絶縁 | 粘着剤なしで自己融着、防水性高い |
圧着端子や圧縮スリーブを使用した接続部には、適切な絶縁処理を施すことが電気設備技術基準の要求事項となっており、施工後の絶縁抵抗測定(メガテスト)による品質確認が標準的な施工管理手順となっている。
情報カットオフ 〜2025-08、confidence: medium 固定。ケーブルの規格・許容電流は JIS C 3605・内線規程(JEAC 8001)等を参照のこと。
Backlinks
- has_parts 設備・工事技術 総覧