電気図面
電気設備の設計・施工・保守を支える図面種別(単線結線図・配線図・シーケンス図・端子台図)と記録書類(電路系統図・負荷一覧表・ケーブルリスト・識別票)を解説する。
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電気図面(Electrical Diagrams)は、電気設備の設計意図を正確に伝え、施工・試験・保守・改修の拠り所となる技術文書群である。電気図面は電気設備の「設計言語」であり、異なる施工者・保守担当者・検査機関が同一の設備を正確に理解・操作するために不可欠な情報基盤を形成する。情報カットオフ 〜2025-08、confidence: medium 固定。
図面の種類
単線結線図(Single Line Diagram)
単線結線図(SLD)は電気設備全体の電力系統を単線(1 本の線)で表した概略図である。変圧器・遮断器・断路器・母線・負荷機器が記号で表され、電圧レベル・変圧比・遮断容量・保護継電器の種類などが記載される。
単線結線図の主な用途:
- 電気設備全体の構成把握と設計検討
- 電力会社への申請・届出書類(自家用電気工作物の設置届)
- 電気主任技術者による保安管理の基礎文書
- 増設・改修計画の検討資料
単線結線図では、実際に 3 本ある三相線を 1 本の線で表すため、実際の配線本数や接続形態の詳細は別図面(複線図・配線図)で確認する必要がある。
配線図(Wiring Diagram)
配線図は電気機器間の実際の電線・ケーブルの接続を詳細に示す図面である。単線結線図が「どの機器がどう繋がるか」を示すのに対し、配線図は「実際の電線の経路・端子番号・接続点」を示す実施用文書となる。
配線図の種類:
- 配線系統図:盤間・機器間の配線ルートと電線仕様(種別・サイズ・本数・長さ)
- 内部接続図(盤内配線図):制御盤・分電盤内部の機器間配線(機器の位置・端子番号・電線色)
- 外部接続図:盤外の機器(センサ・バルブ・モーター)と盤端子台の接続
シーケンス図(Sequence Diagram / Ladder Diagram)
シーケンス図(展開接続図)は電気制御回路の動作シーケンスを横に展開した図面であり、リレー・タイマー・接点・コイルの論理的な接続関係を示す。制御回路の設計・施工・トラブルシューティングの核心となる図面である。
シーケンス図の読み方:
- 左側の縦線が制御電源の一方(L1 / R)、右側が他方(L2 / S または N)
- 横方向に各行(ライン)が制御の 1 ステップを表す
- 常開接点(a 接点)は空白の四角、常閉接点(b 接点)は斜線入りの四角で表記
- コイル(リレー・電磁接触器)は丸で表記
シーケンス図は PLC のラダー図とほぼ同じ表現であり、従来のリレーシーケンスを PLC に移植する際の設計書としても機能する。
端子台図(Terminal Diagram)
端子台図は制御盤・分電盤に設置される端子台(Terminal Block)の端子番号・接続先・電線色・ケーブル番号を一覧化した図面である。
端子台図が必要な理由:
- 外部機器との接続作業における誤配線防止
- 現地調整・試験時の信号確認の基準
- 保守・改修時の配線追跡の効率化
端子番号は「PE(保護接地)・N(中性線)・制御回路番号(例:CR1、CR2)」などの命名規則に従って付与される。
記録書類(設備管理文書)
電気図面に加えて、設備の新設・更新・保守を支える記録書類が作成・管理される。
電路系統図(Cable Route Drawing)
ケーブル・電線の敷設ルートを建物平面図・立面図上に記した図面である。ケーブルラック・電線管の敷設ルート・貫通部の位置・地中埋設の深さなどが記録される。電気系統変更や増設時の既設ケーブルルート確認に不可欠な文書となる。
負荷一覧表(Load Schedule)
設備に接続されるすべての電気負荷機器の仕様・容量・回路番号・使用分電盤を一覧化した表である。設備全体の負荷電流・需要電力の計算・幹線サイズの設計に使用するほか、電気主任技術者の保安管理資料としても機能する。
主な記載項目:
- 機器名称・型番・容量(kW)・定格電流(A)
- 回路番号・分電盤名称・遮断器定格
- 電源種別(単相 100 V / 三相 200 V など)・力率
ケーブルリスト(Cable Schedule)
施設内に敷設されるすべてのケーブルについて番号・種別・サイズ・敷設区間・長さ・経路を記録した一覧表である。
主な記載項目:
- ケーブル番号・ケーブル種別(VVF / CV / CVT / EM-EEF など)
- 導体サイズ(mm²)・心数
- 始点(盤名・端子番号)〜 終点(機器名・端子番号)
- 敷設方法(ラック敷設・管路敷設・直埋など)・延長(m)
ケーブルリストは竣工後の保守・改修時の既設ケーブル特定・交換判断に活用され、設備の生涯を通じて更新・管理される重要文書である。
識別票・銘板(Identification Tag / Nameplate)
実際に施工されたケーブル・機器に取り付けられる識別情報であり、図面との現物照合を可能にする。ケーブルには電線管両端・中間引き出し部にケーブルタグ(プラスチック製または金属製)が取り付けられ、ケーブル番号・敷設先が表示される。盤や機器には銘板(仕様プレート)が取り付けられ、型番・定格・製造年月が記録される。
適切な識別票管理は、保守作業時の誤操作防止・迅速なトラブル対応を支える安全管理の要素であり、電気設備技術基準でも識別の必要性が規定されている。
情報カットオフ 〜2025-08、confidence: medium 固定。図面の様式・記号は JIS C 0617(電気用図記号)等を参照のこと。
Backlinks
- has_parts 設備・工事技術 総覧