XRP Ledger(リップル)
Ripple 社が主導する RPCA コンセンサスの決済特化型分散台帳。PoW なし・3〜5 秒決済・国際送金ブリッジ通貨として設計された XRP と、2024 年発行の RLUSD ステーブルコイン、SEC 訴訟の経緯を解説。
article technology ja Ripple 社が主導する RPCA コンセンサスの決済特化型分散台帳。PoW なし・3〜5 秒決済・国際送金ブリッジ通貨として設計された XRP と、2024 年発行の RLUSD ステーブルコイン、SEC 訴訟の経緯を解説。XRP Ledger(リップル)
XRP Ledger(XRPL)は、国際送金と決済を主目的に設計されたパブリック分散台帳である。Ripple Labs(旧 OpenCoin)が中心となって開発し、PoW を採用せず RPCA(Ripple Protocol Consensus Algorithm)によって 3〜5 秒でファイナリティを達成する。ネイティブ通貨 XRP は「ブリッジ通貨」として法定通貨間の流動性を提供する設計思想を持つ。情報カットオフ ~2025-08、confidence: medium 固定(2026-06 時点での外部再検証は未実施)。
RPCA コンセンサス(フェデレーテッドコンセンサス)
XRP Ledger のコンセンサスは RPCA(Ripple Protocol Consensus Algorithm) に基づく。各バリデータノードは自分が信頼するバリデータのリスト(UNL: Unique Node List)を持ち、UNL の 80% 以上が同じレジャー候補に合意した場合にファイナリティが確定する。
PoW も PoS(ステーキング報酬)も存在しないため、マイナーへの報酬がなく、XRP の新規発行は行われない。発行済み総量は 1,000 億 XRP であり、スパム防止のためトランザクションごとに少量の XRP が焼却される(バーン)。Ripple 社は発行済み XRP の大部分をエスクローで保有しており、毎月上限 10 億 XRP を市場放出できる仕組みが設けられている。
ブロック生成時間は 約 3〜5 秒、スループットは ~1,500 TPS。決済コストは $0.001 未満。
国際送金とブリッジ通貨
XRPL の主要ユースケースは クロスボーダー送金 である。Ripple 社は RippleNet という金融機関向けネットワークを展開し、XRP を経由した即時送金(ODL: On-Demand Liquidity)サービスを提供する。従来の SWIFT 電文(1〜3 日、高コスト)に対し、XRP を中間通貨として利用することで秒単位・低コストの送金を実現する。
MEX、フィリピン、日本・アジア太平洋地域の送金コリドーで ODL の実績がある。MoneyGram との提携(2019〜2021 年)は SEC 提訴後に解消されたが、その後もアジア・中南米の送金コリドーへの展開が続く。
RLUSD ステーブルコイン(2024 年)
2024 年後半、Ripple 社は RLUSD(Ripple USD)ステーブルコインを発行した。XRPL および Ethereum ネットワークの両方で流通し、米ドル 1:1 ペッグを維持する。これにより XRPL は単なる XRP 送金台帳から、ステーブルコイン決済プラットフォームへの進化を図っている。
Ripple 社 vs SEC 訴訟(2020〜2024 年)
2020 年 12 月、米 SEC は Ripple Labs と共同創業者 2 名を「XRP が未登録証券の販売にあたる」として提訴した。主な争点は XRP の証券該当性(Howey テスト適用)であった。
2023 年 7 月、Analisa Torres 判事がプログラマティック販売(取引所経由)については XRP は証券ではないと判断。機関投資家への直接販売は証券法違反と認定した。2024 年に和解が成立し、罰金は大幅に削減された(SEC 要求額より低額で確定)。この判決は米国暗号資産規制の文脈で先例として参照される。
EVM サイドチェーン
XRPL は 2023 年以降、XRPL EVM サイドチェーン の開発を進めている。Ethereum 互換の EVM 環境を XRPL にブリッジすることで、Solidity ベースの DeFi / スマートコントラクト開発者を取り込む狙いがある。XRPL 本体のシンプルさを維持しながら、拡張機能をサイドチェーンに分離する設計である。
アンチパターン
| アンチパターン | 実態 |
|---|---|
| XRP = Ripple 社の所有物 | XRPL はオープンソースのパブリック台帳。Ripple 社は主要開発者だが所有者ではない |
| SEC 勝訴 = XRP は完全に証券でない | 機関向け販売は証券法違反認定。判決は文脈依存で全面勝利ではない |
| ODL 採用 = 大規模送金量 | ODL の流動性・コリドー数は成長中だが、SWIFT の代替になるには規模がまだ小さい |
Backlinks
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