XRP Ledger(リップル)

article technology medium #xrp#ripple#blockchain#rpca#payments#cross-border
Created: 2026-06-01 Updated:

Ripple 社が主導する RPCA コンセンサスの決済特化型分散台帳。PoW なし・3〜5 秒決済・国際送金ブリッジ通貨として設計された XRP と、2024 年発行の RLUSD ステーブルコイン、SEC 訴訟の経緯を解説。

XRP Ledger(リップル)

XRP Ledger(XRPL)は、国際送金と決済を主目的に設計されたパブリック分散台帳である。Ripple Labs(旧 OpenCoin)が中心となって開発し、PoW を採用せず RPCA(Ripple Protocol Consensus Algorithm)によって 3〜5 秒でファイナリティを達成する。ネイティブ通貨 XRP は「ブリッジ通貨」として法定通貨間の流動性を提供する設計思想を持つ。情報カットオフ ~2025-08、confidence: medium 固定(2026-06 時点での外部再検証は未実施)。

RPCA コンセンサス(フェデレーテッドコンセンサス)

XRP Ledger のコンセンサスは RPCA(Ripple Protocol Consensus Algorithm) に基づく。各バリデータノードは自分が信頼するバリデータのリスト(UNL: Unique Node List)を持ち、UNL の 80% 以上が同じレジャー候補に合意した場合にファイナリティが確定する。

PoW も PoS(ステーキング報酬)も存在しないため、マイナーへの報酬がなく、XRP の新規発行は行われない。発行済み総量は 1,000 億 XRP であり、スパム防止のためトランザクションごとに少量の XRP が焼却される(バーン)。Ripple 社は発行済み XRP の大部分をエスクローで保有しており、毎月上限 10 億 XRP を市場放出できる仕組みが設けられている。

ブロック生成時間は 約 3〜5 秒、スループットは ~1,500 TPS。決済コストは $0.001 未満。

国際送金とブリッジ通貨

XRPL の主要ユースケースは クロスボーダー送金 である。Ripple 社は RippleNet という金融機関向けネットワークを展開し、XRP を経由した即時送金(ODL: On-Demand Liquidity)サービスを提供する。従来の SWIFT 電文(1〜3 日、高コスト)に対し、XRP を中間通貨として利用することで秒単位・低コストの送金を実現する。

MEX、フィリピン、日本・アジア太平洋地域の送金コリドーで ODL の実績がある。MoneyGram との提携(2019〜2021 年)は SEC 提訴後に解消されたが、その後もアジア・中南米の送金コリドーへの展開が続く。

RLUSD ステーブルコイン(2024 年)

2024 年後半、Ripple 社は RLUSD(Ripple USD)ステーブルコインを発行した。XRPL および Ethereum ネットワークの両方で流通し、米ドル 1:1 ペッグを維持する。これにより XRPL は単なる XRP 送金台帳から、ステーブルコイン決済プラットフォームへの進化を図っている。

Ripple 社 vs SEC 訴訟(2020〜2024 年)

2020 年 12 月、米 SEC は Ripple Labs と共同創業者 2 名を「XRP が未登録証券の販売にあたる」として提訴した。主な争点は XRP の証券該当性(Howey テスト適用)であった。

2023 年 7 月、Analisa Torres 判事がプログラマティック販売(取引所経由)については XRP は証券ではないと判断。機関投資家への直接販売は証券法違反と認定した。2024 年に和解が成立し、罰金は大幅に削減された(SEC 要求額より低額で確定)。この判決は米国暗号資産規制の文脈で先例として参照される。

EVM サイドチェーン

XRPL は 2023 年以降、XRPL EVM サイドチェーン の開発を進めている。Ethereum 互換の EVM 環境を XRPL にブリッジすることで、Solidity ベースの DeFi / スマートコントラクト開発者を取り込む狙いがある。XRPL 本体のシンプルさを維持しながら、拡張機能をサイドチェーンに分離する設計である。

アンチパターン

アンチパターン実態
XRP = Ripple 社の所有物XRPL はオープンソースのパブリック台帳。Ripple 社は主要開発者だが所有者ではない
SEC 勝訴 = XRP は完全に証券でない機関向け販売は証券法違反認定。判決は文脈依存で全面勝利ではない
ODL 採用 = 大規模送金量ODL の流動性・コリドー数は成長中だが、SWIFT の代替になるには規模がまだ小さい

Local graph