電磁波

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Created: 2026-06-15 Updated:

電磁波の定義・周波数と波長の関係(c = λf)・真空中の光速・電磁スペクトル全体(電波から γ 線まで)・反射・吸収・屈折・干渉の性質を解説する。光も電磁波の一種であることを示す。

電磁波(Electromagnetic Waves)— 周波数・波長・光速・スペクトル

電磁波は、電場と磁場が互いを誘導し合いながら空間を伝わる波だ。変化する電場が磁場を生み(アンペール・マクスウェールの法則)、変化する磁場が電場を生む(ファラデーの法則)という連鎖がループすることで、電磁場の波が真空中を光速 c で伝わる。マクスウェールが 1865 年に理論的に予言し、ヘルツが 1887 年に実験で確認した。光・電波・X 線・マイクロ波はすべて電磁波の異なる周波数帯だ。情報カットオフ 〜2025-08、confidence: medium 固定。

電磁波の基本要素

電磁波を特徴づける三つの基本量:

1. 周波数 f(frequency)

1 秒間に通過する波の数。単位はヘルツ(Hz = 1/s)。周波数が高いほど「エネルギーが高い」電磁波となる。

2. 波長 λ(wavelength)

波の一周期の長さ。単位はメートル(m)。周波数が高いほど波長は短い。

3. 波速 c(speed)

真空中の電磁波の速度は全周波数で一定。c ≒ 2.998×10⁸ m/s(光速)。

これら三量の関係式:

c = λ · f  (または λ = c/f, f = c/λ)

例: AM ラジオ(1 MHz)の波長は c/f = 3×10⁸/10⁶ = 300 m。Wi-Fi 5 GHz の波長は 3×10⁸/5×10⁹ ≒ 6 cm。可視光(500 THz)の波長は 3×10⁸/5×10¹⁴ ≒ 600 nm

電磁スペクトル

電磁波は周波数(または波長)によって多数の帯域に分類される。

種別周波数の目安波長の目安主な用途
電波(極超長波〜マイクロ波)3 Hz〜300 GHz1 mm〜100,000 kmAM/FM ラジオ・TV・携帯電話・Wi-Fi・レーダー
テラヘルツ波0.1〜10 THz30 μm〜3 mmセキュリティ検査・医療イメージング
赤外線300 GHz〜430 THz700 nm〜1 mmリモコン・暖房・光通信
可視光430〜750 THz400〜700 nm目で見える光
紫外線750 THz〜30 PHz10〜400 nm殺菌・日焼け・蛍光
X 線30 PHz〜30 EHz0.01〜10 nm医療撮影・結晶構造解析
ガンマ線(γ 線)30 EHz 以上0.01 nm 未満放射線治療・核反応

可視光は電磁スペクトルのごく狭い帯域(波長 400〜700 nm)に過ぎない。赤色光が約 700 nm(低周波側)、紫色光が約 400 nm(高周波側)に対応し、虹の 7 色(赤・橙・黄・緑・青・藍・紫)は波長の順序を反映する。

電磁波の性質

伝搬: 電磁波は媒質なしで真空中を伝わる。音波は媒質(空気・固体など)の振動が必要だが、電磁波は電場と磁場が相互に誘導し合うため媒質不要。宇宙空間を伝わる光・太陽からの赤外線がこれを示す。

横波: 電場 E と磁場 B の振動方向は、どちらも電磁波の進行方向に垂直だ。E と B 自体も互いに垂直(E ⊥ B ⊥ 伝播方向)。これが偏光(polarization)の根拠であり、E の振動面が偏光面となる。

反射: 電磁波は界面(空気と金属、空気とガラスなど)で反射する。金属は自由電子が多く電磁波をほぼ完全反射するため、電波を遮蔽する(電磁シールド)。

屈折: 電磁波が別の媒質に入射すると速度が変わり、進行方向が曲がる(スネルの法則: n₁ sinθ₁ = n₂ sinθ₂)。レンズ・光ファイバー・大気による光の屈折すべてこれによる。

吸収: 媒質によって特定の周波数の電磁波が吸収される。水分子は 2.45 GHz の電磁波(マイクロ波)を効率よく吸収するため電子レンジに利用される。大気の「オゾン層」は紫外線を吸収し地表への到達を防ぐ。

干渉・回折: 電磁波は波動のため、干渉(coherent waves の強め合い・打ち消し合い)と回折(障害物の陰への回り込み)が起きる。Wi-Fi の多重反射による干渉パターン、光の二重スリット実験などがこれに相当する。

エネルギー輸送

電磁波はエネルギーを運ぶ。電磁波のエネルギーは電場と磁場の両方に蓄えられており、単位面積・単位時間を通過するエネルギー(電力密度)はポインティングベクトル S で表される。

S = (1/μ₀) E × B    (W/m²)

S の向きは電磁波の進行方向(E と B の両方に垂直)に一致する。太陽光は地球軌道で約 1361 W/m²(太陽定数)のエネルギーフラックスを持つ。

量子論的観点:光子

古典電磁気学では電磁波を連続的な波として扱うが、量子論では光子(photon)という粒子(エネルギー量子)として扱う。光子のエネルギーは:

E = hf
  • h: プランク定数(≒ 6.626×10⁻³⁴ J·s)
  • f: 光子の周波数

周波数が高い(波長が短い)電磁波ほど光子 1 個あたりのエネルギーが大きい。X 線や γ 線の光子が生物学的組織を損傷できる理由はここにある。光電効果・コンプトン散乱は光子として扱うことで初めて説明できる。

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