電気主任技術者
自家用電気工作物の保安監督を担う国家資格・電気主任技術者を解説。第三種・第二種・第一種の監督範囲、選任義務、外部委託制度の概要を整理する。
article technology ja 自家用電気工作物の保安監督を担う国家資格・電気主任技術者を解説。第三種・第二種・第一種の監督範囲、選任義務、外部委託制度の概要を整理する。電気主任技術者 — 第一種・第二種・第三種の権限区分と選任義務
電気主任技術者は電気事業法に基づく国家資格であり、自家用電気工作物の保安管理(電気設備の維持・運用の安全確保)を主任技術者として監督する権限を持つ。工場・ビル・病院などの高圧受電設備を持つ事業所は、法令上、電気主任技術者を選任して届け出ることが義務づけられている。資格は第三種・第二種・第一種の 3 段階があり、監督できる設備の規模・電圧が異なる。情報カットオフ 〜2025-08、confidence: medium 固定。
第三種電気主任技術者(電験三種)
第三種電気主任技術者(電験三種)は、電圧 50,000 V 未満の事業用電気工作物(出力 5,000 kW 以上の発電所を除く)の保安監督ができる資格である。一般的な工場・ビル・商業施設などが高圧(6.6 kV 等)で受電する場合、電験三種の保有者が主任技術者として選任されることが多い。
試験は経済産業大臣が実施し(試験事務は試験機関が担当)、理論・電力・機械・法規の 4 科目に合格することで取得できる。合格率は例年かなり低く、実務者から高難度の資格として位置づけられている。
第二種電気主任技術者(電験二種)
第二種電気主任技術者(電験二種)は、電圧 170,000 V 未満の事業用電気工作物の保安監督ができる資格である。大規模な工場・データセンター・病院・鉄道変電設備など、特別高圧(例:66 kV 受電)の設備を持つ事業所における主任技術者として活用される。
試験は一次試験(マークシート)と二次試験(記述式)の 2 段階で構成される。
第一種電気主任技術者(電験一種)
第一種電気主任技術者(電験一種)は、すべての事業用電気工作物の保安監督ができる資格である。発電所・大規模変電所・特別高圧送電設備などの管理を担う。電力会社のエンジニアや大規模プラントの保安担当者が取得するケースが多い。
試験は第二種と同様に一次・二次の 2 段階構成で、最難関の電気資格とされる。
3 段階の監督範囲まとめ
| 資格 | 監督できる設備の電圧(事業用電気工作物) | 主な適用場所 |
|---|---|---|
| 第三種(電験三種) | 50,000 V 未満(出力 5,000 kW 以上の発電所を除く) | 高圧受電の工場・ビル・商業施設等 |
| 第二種(電験二種) | 170,000 V 未満 | 特別高圧受電の大規模施設・鉄道変電所等 |
| 第一種(電験一種) | 制限なし(すべての事業用電気工作物) | 発電所・大規模変電所等 |
上記の電圧区分の数値は電気事業法施行規則に基づくものであり、詳細は原文令を確認すること。
選任義務と外部委託制度
自家用電気工作物を設置する事業者は、電気事業法に基づき電気主任技術者を選任し、経済産業大臣(産業保安監督部等)へ届け出なければならない。
ただし、設備の規模や種類が一定の要件を満たす場合、主任技術者の選任に代えて「保安管理業務を電気保安法人または電気管理技術者に外部委託する」ことが認められている(詳細は保安管理 tech-378 を参照)。この外部委託制度は、常時専任の主任技術者を雇用することが困難な中小事業者を中心に広く活用されている。
電気主任技術者と電気工事士の違い
電気主任技術者は設備の保安監督(安全に維持・運用されているかを管理・監督する)を行う資格であり、電気工事そのものを施工する資格ではない。電気工事を施工する権限は電気工事士制度(tech-374)によって定められており、電気主任技術者であっても電気工事士免状がなければ電気工事には従事できない。両者は役割が明確に分離している。
情報カットオフ 〜2025-08、confidence: medium 固定。
Backlinks
- has_parts 工事・法制度・資格体系 総覧