電荷
電気の基本単位「電荷」の定義・単位(クーロン C)・クーロン力(F = k·q₁·q₂/r²)・正負 2 種類の性質・素電荷(e = 1.6×10⁻¹⁹ C)を解説する。
article technology ja 電気の基本単位「電荷」の定義・単位(クーロン C)・クーロン力(F = k·q₁·q₂/r²)・正負 2 種類の性質・素電荷(e = 1.6×10⁻¹⁹ C)を解説する。電荷(Electric Charge)— クーロン・クーロン力・正負電荷の基礎
電荷は物質が持つ最も基本的な電気的性質であり、電気現象のすべての根源となる量だ。電荷を持つ物体同士は離れていても力を及ぼし合い(クーロン力)、その力が電場・電位・電流の概念の出発点となる。電荷の単位はクーロン(C)。情報カットオフ 〜2025-08、confidence: medium 固定。
電荷の定義と種類
電荷は物質が持つ電気的性質を表す物理量であり、**正電荷(+)と負電荷(−)**の 2 種類が存在する。
- 正電荷:陽子が持つ電荷。プロトンの電荷量 = +e(素電荷)。
- 負電荷:電子が持つ電荷。電子の電荷量 = −e(素電荷)。
物質は通常、正電荷と負電荷が等量であるため電気的に中性だ。摩擦・化学反応・光照射などによって電荷の偏りが生じると、物体は「帯電」した状態になる。
電荷保存則:孤立系における電荷の総量は変化しない。電荷は生成も消滅もしない(対消滅・対生成では正負の電荷が同時に等量生成・消滅するため、合計は変わらない)。
電荷の単位:クーロン(C)
電荷の SI 単位はクーロン(C)。定義は「1 秒間に 1 アンペアの電流が流れるときに移動する電荷量」であり、C = A·s(アンペア秒)と表せる。
| 量 | 値 |
|---|---|
| 素電荷 e(陽子・電子 1 個の電荷量) | 1.602×10⁻¹⁹ C |
| 電子 1 個の電荷量 | −1.602×10⁻¹⁹ C |
| 1 C に相当する電子の数 | 約 6.24×10¹⁸ 個 |
日常で扱う電荷量は非常に大きい。例えば乾電池(1.5 V・容量 2,000 mAh)が放電する総電荷量は 2.0 A·h = 7,200 C であり、これは約 4.5×10²² 個の電子の移動に相当する。
クーロンの法則
2 つの点電荷 q₁ と q₂ が距離 r だけ離れているとき、両者の間に働く力(クーロン力)は次の式で表される。
F = k · q₁ · q₂ / r²
- F: 力の大きさ(N: ニュートン)
- q₁、q₂: 各電荷量(C: クーロン)
- r: 2 電荷間の距離(m: メートル)
- k: クーロン定数 ≒ 9.0×10⁹ N·m²/C²
クーロン定数 k は真空の誘電率 ε₀ を用いて k = 1 / (4πε₀) と書ける(ε₀ ≒ 8.85×10⁻¹² C²/(N·m²))。
クーロンの法則の特徴:
- 距離の 2 乗に反比例:距離が 2 倍になると力は 1/4 になる。
- 同符号は反発、異符号は引き合う:q₁·q₂ が正(同符号)なら斥力、負(異符号)なら引力。
- 万有引力との類似性:F = G·m₁·m₂/r² と同形。ただし電荷は正負があるため引力・斥力の両方が存在するのに対し、重力は常に引力。
静電気と帯電
日常で経験する「静電気」は電荷の偏りによる現象だ。絶縁体同士を摩擦すると、電子が一方の物体から他方へ移動し、両者が逆の符号で帯電する。
| 現象 | メカニズム |
|---|---|
| 下敷きで髪が逆立つ | 摩擦帯電により下敷きが負に帯電し、髪(正電荷誘導)を引きつける |
| ドアノブでの放電 | 蓄積した電荷が急速に移動する(静電放電 ESD) |
| 雷 | 積乱雲内の大規模な電荷分離による放電現象 |
| コピー機のトナー転写 | 静電気による荷電トナー粒子の誘引 |
電荷と電場の関係
電荷 q を持つ粒子は周囲に電場を形成する。正電荷は外向きに、負電荷は内向きに電場の力線(電気力線)を持つ。電場の強さは E = kq / r²(点電荷から距離 r の電場強度)で表される。
電場と電荷の関係は、電荷が「電場の源」であるという対称性を持つ:電荷が電場を作り、電場が別の電荷に力を及ぼす。詳細は電場記事(tech-318)を参照。
量子的な電荷の性質
古典物理では電荷は連続量として扱うが、量子論では電荷は量子化されている。すなわち、電荷は素電荷 e(= 1.602×10⁻¹⁹ C)の整数倍のみを取る。クォークは e の 1/3 や 2/3 の分数電荷を持つが、観測可能な粒子(ハドロン)としては常に整数倍に閉じ込められる(カラー閉じ込め)。
情報カットオフ 〜2025-08、confidence: medium 固定。