ローレンツ力

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Created: 2026-06-15 Updated:

ローレンツ力の定義 F = q(E + v×B) を解説。電場・磁場から電荷が受ける力の統一式として、モーターの原理・荷電粒子の円運動・電磁波のエネルギー輸送との関係を体系化する。

ローレンツ力 — F = q(E + v×B)・モーター原理・荷電粒子の運動

ローレンツ力は、電場と磁場の中に置かれた電荷が受ける力を統一的に記述する式であり、古典電磁気学の根幹をなす。オランダの物理学者ヘンドリック・ローレンツが 19 世紀末に定式化し、マクスウェール方程式(tech-331)と並ぶ古典電磁気学の二大支柱の一つだ。モーター・サイクロトロン・陰極線管(CRT)・電磁波のエネルギー輸送など、多くの実用技術の基礎となる。情報カットオフ 〜2025-08、confidence: medium 固定。

ローレンツ力の定義

電荷 q を持つ粒子が、電場 E と磁束密度 B の中を速度 v で運動するとき、粒子が受ける力 F は次の式で与えられる。

F = q(E + v × B)

この式は二つの成分に分解できる:

  1. 電場による力: F_E = qE

    • 電荷の符号(正/負)によって方向が決まる。
    • 電荷の速度に無関係(静止していても働く)。
    • 電荷の速さを変える(仕事をする)。
  2. 磁場による力: F_B = qv × B

    • 電荷の速度と磁束密度の外積(クロス積)で与えられる。
    • v と B の両方に対して垂直な方向に働く。
    • 電荷の速さを変えない(仕事をしない)。

磁場成分の大きさは |F_B| = qvB sinθ(θ: v と B のなす角)となる。v と B が平行(θ = 0°)のとき力は 0、垂直(θ = 90°)のとき最大となる。

電場成分と磁場成分の違い

特性電場による力 F_E磁場による力 F_B
発生条件電荷があれば常に電荷が動いているとき
力の方向電場と平行/逆平行v と B の両方に垂直
速さへの影響変える(加速/減速)変えない(方向のみ)
エネルギー仕事をする仕事をしない
応用電気モーターの電場成分・コンデンサー磁気ブレーキ・サイクロトロン

荷電粒子の円運動

磁場だけが存在し電場がない(E = 0)とき、初速度が磁場に垂直な方向の荷電粒子は等速円運動を行う。

磁場による力(ローレンツ力)が向心力となるため:

qvB = mv²/r

円運動の半径(サイクロトロン半径):

r = mv / (qB)

角周波数(サイクロトロン角周波数):

ω = qB / m

ω が質量 m と電荷 q の比にのみ依存し速度 v に依存しないことをサイクロトロン共鳴と呼ぶ。この性質はサイクロトロン加速器・MRI 装置の磁気共鳴・プラズマ閉じ込め(トカマク)に活用される。

モーターへの応用

電動モーター(電気モーター)はローレンツ力の磁場成分 F = IL × B を利用する(I: 電流、L: 導線の長さベクトル)。

  • コイルに電流を流すと、磁場中でコイルの辺に力が働く。
  • 二辺に働く力は互いに逆方向で、コイルを回転させるトルクを生む。
  • 電流と磁場の方向から力の方向はフレミングの左手の法則(tech-329)で確認できる。

モーターの力(トルク)は τ = NIAB sinφ(N: コイル巻数、A: コイル面積、φ: コイル面と磁場のなす角)で表される。電流 I を増やす・磁束密度 B を強める・コイル面積 A を大きくするとトルクが増大する。

ホール効果

電流が流れる導体・半導体に磁場を垂直に印加すると、ローレンツ力によって電流方向と磁場方向の両方に垂直な方向に起電力(ホール電圧)が発生する。これをホール効果と呼ぶ。

V_H = (IB) / (nqd)
  • n: キャリア密度、d: 導体の厚さ

ホール効果は磁場センサー(ホール素子)・電流センサー・半導体のキャリア種(n 型・p 型)の判定に利用される。量子ホール効果(整数・分数)は量子力学の重要な現象で、電気抵抗の精密計測標準としても用いられる。

情報カットオフ 〜2025-08、confidence: medium 固定。

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