NEAR Protocol(ニア)

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Created: 2026-06-01 Updated:

Nightshade シャーディングと Doomslug ファイナリティを採用した L1。チェーン抽象化・チェーン署名・Aurora EVM L2 を軸に「マルチチェーンの統一 UX」を目指す。ネイティブトークンは NEAR。

NEAR Protocol(ニア)

NEAR Protocol は、Illia Polosukhin(現 NEAR Foundation 会長)と Alexander Skidanov が 2018 年に設立した L1 ブロックチェーンである。Nightshade シャーディングによる水平スケーリング・Doomslug ファイナリティ・チェーン抽象化(Chain Abstraction)・チェーン署名(Chain Signatures)を核とし、「任意のチェーンをひとつの NEAR アカウントで操作できる」マルチチェーン UX を目指す。Aurora は NEAR 上の EVM 互換 L2 であり、ネイティブトークンは NEAR。情報カットオフ ~2025-08、confidence: medium 固定(2026-06 時点での外部再検証は未実施)。

Nightshade シャーディングとステートレス検証

Nightshade は NEAR のシャーディングアーキテクチャの名称である。単一のブロックをシャードごとの「chunk(チャンク)」に分割し、各シャードのバリデータが自分のシャードの chunk のみを処理する。最終的なブロックは全シャードの chunk ヘッダを含む一本のチェーンとして扱われる。

Nightshade ロードマップには複数フェーズがある。Phase 1〜2 ではシャード分割の段階的導入が行われ、Phase 3 で導入された ステートレス検証(Stateless Validation) が鍵となった。バリデータはシャードのフルステートを保持せず、chunk ごとの witness(状態証明)を受け取って検証する設計であり、バリデータの負荷を低減してシャード数を増やしやすくした。

Doomslug ファイナリティ

Doomslug は NEAR のブロック生成プロトコルで、Classic PoS の BFT ファイナリティとは異なる実用的なアプローチを採用する。各ブロックスロットにはラウンドロビンでブロックプロデューサーが割り当てられ、バリデータの 2/3 超がそのブロックを endorsement するとブロックが実質的に確定する。エンドースメントはブロック直後の次ブロックに含まれるため、ファイナリティは通常 1〜2 ブロック内(数秒以内)で達成される。

Doomslug の設計意図は「ネットワーク分断が発生しない限り高速ファイナリティ」を保証し、分断時に安全性(safety)を優先して可用性(liveness)を犠牲にする点にある。Ethereum の Casper ガジェットよりも単純な設計で、NEAR のシャーディングと組み合わせやすい。

チェーン抽象化とチェーン署名

Chain Abstraction(チェーン抽象化) は NEAR が 2024 年に提唱した戦略的概念で、ユーザーが Ethereum・Bitcoin・Solana 等の異なるチェーンを意識せずに NEAR アカウントから操作できる UX を目指す。マルチチェーンガス手数料の抽象化・クロスチェーン账户統一・Intent ベースのトランザクション実行などを含む。

Chain Signatures(チェーン署名) はその技術的中核で、NEAR の MPC(マルチパーティ計算)ネットワークが任意の外部チェーン(EVM・Bitcoin UTXO など)のトランザクションに署名できる仕組みである。ユーザーは NEAR アカウント(または OIDC ソーシャルログインによる Passkey アカウント)から外部チェーンの資産をコントロールでき、ブリッジや別ウォレットが不要になる。

Aurora EVM L2

Aurora は NEAR 上で動作する Ethereum 互換レイヤーで、EVM バイトコードをそのまま実行できる環境を提供する。スマートコントラクトは NEAR の wasm ベース VM ではなく Aurora EVM で実行され、Solidity プロジェクトのポーティングが容易である。ガス手数料の支払いには ETH を使用でき、MetaMask などの既存 Ethereum ツールチェーンが利用可能。Aurora は独立した EVM チェーンとしてではなく NEAR スマートコントラクト上で実行されるため、NEAR のセキュリティと最終的なファイナリティを継承する。

NEAR トークンとエコシステム

NEAR はネイティブトークンで、ガス手数料・ストレージステーキング(アカウントのオンチェーンストレージのロック)・バリデータ委任に使われる。ガス手数料の 30% はコントラクト開発者に還元(Developer Rebate)される設計で、インセンティブのアライメントを図っている。

エコシステムでは DeFi プロトコル(Ref Finance など)・NFT マーケット・ソーシャル DApp・AI エージェント向けのオンチェーン支払い基盤としての活用が進んでいる。Illia Polosukhin が Transformer 論文(“Attention is All You Need”、2017)の共著者の一人であることから、AI とブロックチェーンの融合という文脈で NEAR が注目されることも多い。

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