Algorand(アルゴランド)
MIT の Silvio Micali が設計した L1。VRF による暗号的バリデータ選出(Pure PoS / PPoS)で即時ファイナリティ・フォークなしを実現。AVM・TEAL・PyTeal・ASA・State Proofs を特徴とし、ネイティブトークンは ALGO。
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Algorand は MIT 暗号学者 Silvio Micali が設計し、2019 年にメインネットが公開された L1 ブロックチェーンである。Pure PoS(PPoS) と呼ばれるコンセンサスでは、VRF(Verifiable Random Function)による暗号的なバリデータ選出により、フォークなし・即時ファイナリティ(数秒以内)を実現する。AVM(Algorand Virtual Machine)上で動作する TEAL 言語・PyTeal・Beaker によるスマートコントラクト環境、ASA(Algorand Standard Assets)によるトークン発行標準、および軽量クライアント向けの State Proofs を持つ。ネイティブトークンは ALGO。情報カットオフ ~2025-08、confidence: medium 固定(2026-06 時点での外部再検証は未実施)。
Pure PoS と VRF による暗号的バリデータ選出
Algorand のコンセンサスの根幹は VRF(Verifiable Random Function) による確率的バリデータ選出にある。各ラウンドで、各アカウントは自身の秘密鍵と現在のシードを入力とした VRF を計算し、出力値が閾値以下であれば(持ち分に比例した確率で)そのラウンドの提案者または投票者委員会に選出される。この選出結果は他者に事前には秘密のままであり、選出後に証明とともに公開される設計(Cryptographic Sortition)は「委員会メンバーが事前に分かると攻撃対象になる」という問題を回避する。
PPoS(Pure Proof of Stake) の「Pure」は、最小 1 ALGO から委任なしに直接ステーキングに参加できる点を指す。委任型 PoS(DPoS)のようにステークを少数のデリゲートに集中させる設計と異なり、分散度が高まりやすい。ただし参加には参加鍵(participation key)の登録が必要であり、オフライン保有 ALGO はコンセンサスに貢献しない。
即時ファイナリティとフォークなし設計
Algorand は フォーク(チェーン分岐)が原理的に発生しない設計を持つ。BA★(Byzantine Agreement Star)と呼ばれる BFT ベースの合意プロトコルにより、ブロックは提案・ソフトボート・サーティファイの 3 ステップで確定し、最新ブロックのファイナリティは通常 3〜4 秒以内に達成される。Bitcoin の「コンファメーション数待ち」や Ethereum の「スロット・エポックによる確率的ファイナリティ」と異なり、1 ブロックで不可逆的確定が得られる。
この設計は、悪意ある参加者が 1/3 未満であれば安全性(safety)と活性(liveness)の両方を保証する(BFT の標準前提)。悪意ある参加者が 1/3 以上になった場合はチェーンが停止するが、チェーンが二重支払いを許容して進行することはない。
AVM・TEAL・PyTeal・Beaker
AVM(Algorand Virtual Machine) は Algorand のスマートコントラクト実行環境である。スタックベースの VM で、TEAL(Transaction Execution Approval Language) というアセンブリ風の低レベル言語を直接記述するか、上位言語からコンパイルして使用する。
PyTeal は Python で TEAL を生成するラッパーライブラリで、開発者が Pythonic な記法でスマートコントラクトを書けるようにする。さらに Beaker はその上に構築されたフレームワークで、アプリケーションの状態管理・ABI(Application Binary Interface)・テストをまとめて扱えるようにした(ただし情報カットオフ ~2025-08 時点では Beaker のサポート状況の変化について外部再検証は未実施)。
ARC(Algorand Request for Comments) はコミュニティ提案の標準仕様群で、NFT メタデータ標準(ARC-3 / ARC-69)や Wallet Connect 連携標準などを定める。
ASA(Algorand Standard Assets)と State Proofs
ASA(Algorand Standard Assets) は Algorand のファーストクラストークン発行機能である。スマートコントラクトを書かずにトランザクション一つでカスタムトークン(FT・NFT・証券トークンなど)を発行でき、ロール・フリーズ・クローズアウトなどのアセット管理機能がプロトコルレベルで提供される。管理者アドレス・フリーズアドレス・クローバック(強制移転)アドレスをトークンごとに設定できるため、規制要件への対応が比較的容易とされる。
State Proofs は Algorand の軽量クライアント向けの暗号証明機能で、ブロックのサブセットに対する集約署名(Falcon 格子ベース署名)を生成し、軽量デバイスやクロスチェーンブリッジが最小限の通信でブロックの有効性を検証できるようにする。量子耐性署名(Falcon)を採用している点が特徴である。
ALGO と Algorand Foundation
ALGO はネイティブトークンで、ガス手数料(デフォルト 0.001 ALGO)・ステーキング報酬・ガバナンス参加報酬に使用される。発行上限は 100 億 ALGO で、段階的にバリデータ・エコシステムファンド・Algorand Foundation に分配される。
Algorand Foundation はシンガポールを拠点とするエコシステム振興組織で、グラント・ガバナンス投票・開発者教育を担う。Algorand, Inc.(技術開発法人)と二層構造を取ることが多かったが、組織形態については情報カットオフ ~2025-08 時点での最新状況は外部再検証が未実施である。
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